篆書体は、広い意味で、甲骨文・金文・石鼓文なども含めた、隷書以前の殷代~秦代の書体である。篆書体には大きく分けて、大篆と小篆がある。大篆は、秦の始皇帝が、丞相の李斯に命じ、時代ごとや地方ごとで使われていた様々な文字形態を統一(これを文字統一という)する以前の古い篆書体で、統一された篆書体を小篆といい、これが公用体となった。この統一され公用となった小篆が、現代で使われている印鑑の書体の原型となっている。
呉煕載は、中国・江蘇省生まれで、諸生に挙げられたが、科挙の試験を受けず、生涯一布衣として書画篆刻に専心。官歴がなく伝記は断片を伝えるに過ぎない。
呉煕載の性格は、枠の中で思考し、その中で世界を見出そうとするタイプで、作品においても、先人の業績を洗練し、整備することに長けていた。特に篆書においては、書と篆刻を直結させ、印の多様化への道を拓いた革命的な鄧石如に対し、呉は、それを受け継ぎ優雅に洗練した。
●ウィキペディア(篆書について)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AF%86%E6%9B%B8%E4%BD%93
●ウィキペディア(呉熙載)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%91%89%E7%86%99%E8%BC%89